2013年10月21日月曜日

10月6日石巻市総合防災訓練に参加!


10月6日、午前7時7分に街なかにサイレンが響き渡りました。
「避難せよ!」
やはり、所によっては聞こえにくいかな、という印象でした。

「あるいてにげっぺ」のスローガンのもと実施された今回の防災訓練。朝7時7分に地震発生の防災無線が流れると、それぞれの指定避難所に避難を始める方々がちらほら見られました。

中央地区の避難場所は石巻小学校。実際歩いてみると、ホシノボックスピアから小学校までは4分30秒。ただ、実際はおそらく地震が発生してすぐは出られないだろうし、道中誰かと話したり、道が塞がっていたりなどして、もっと時間はかかるだろうなぁ…と思いながら避難所へ向かいました。
避難所までどれくらいの時間がかかるのか、近所にはどのような方々がいるのか、災害時の対応や避難について考えるきっかかけになったのではないかと思います。

この度石巻市では先の震災を受け、災害に関連する情報を集約・発信できるシステム「ORANGE(オレンジ)」なるものを新しくつくりました。(当然"オレンジ”は略語で、ORganized Area Network GEar⇒「地域のつながりを構成する仕組み」だそうです)

10月6日の防災訓練では、このシステムのメインとなる二つのサイト、

①石巻市災害情報ポータルサイト:災害に関する最新情報が閲覧できる
②パーソンファインダー:安否情報を確認・登録が出来る

の紹介がされました。このシステム、実は全国で初の試みだそうです。

 そんな全国初のシステムが、災害時に効果を発揮するためには、住民の皆さんがこのシステムを使いこなす必要があります。是非、皆さんもこれらのサイトにアクセスしてみて下さい。(サイトは「石巻市 ポータルサイト」で検索すると出てきます。
http://portal.disaster.city.ishinomaki.lg.jp

このサイトは、普段皆さんがお持ちの携帯電話やノートパソコン、タブレット端末からご覧頂けます。(災害により通信網が断たれても、指定避難所へ行けばつながります。これがこのシステムの強みです!)

街なかでは、建物の再建だけでなく、安心して安全に暮らせるよう、まちの防災力を高める活動が進められています。その一環として、今回の防災訓練では、これら二つのサイトの閲覧や情報入力の仕方について体験・共有する場を石小の一角に設け、実際にこのシステムを使ってみるとどうか、など体験会が行われました。

「こんなサイトがあるなんて便利ね〜」といった声から、
「入力項目が多すぎるなぁ、途中で携帯の電池切れちゃうよ」
「そもそもどうやってこのサイトにいけばいいかわからんなぁ」

といった具合に、実際に使ってみるといろいろなご意見が。

 

まだまだこのシステムは開発されたばかり。しかもが全国で石巻にしかない、ということで、今回の体験会の意見は、実際に使った住民の声として、とりまとめのうえ市役所へ提出いたします。今後の利便性を上げるためにも是非活用頂きたいですね。

この災害時の情報集約・発信システムが、市民の方々に身近なものとして広く活用されていくためには、行政に頼るだけでなく、今回の防災訓練での体験会のように、そこに住む住民の方々が実際にそのシステムを使いこなしていく必要があります。

当然そこには、地域の方々同士がつながり、支え合い、助け合おうとすることが必要となってきます。

どうも今年の防災訓練は昨年度に比べて大幅に参加人数が減少したようですが、1000年に1回の地震がもう来ないとは限りません。
これから新たに多くの人が集まる(集めようとしている)街なかだからこそ、安全安心であることは絶対条件ですし、そのために、住民の方一人一人の意識と実際の行動力を高めていく必要があります。




第8回市役所大通り街並み委員会

 10月5日(土)に、横浜国立大学より野原卓先生をお招きし、第8回市役所大通り街並み委員会を開催しました。市役所大通りの商店主14名と、市役所から3名、オオバから2名、みらいサポート石巻から1名、横浜国立大学から3名、街なか創生協議会から4名の関係者の参加を頂きました。以下、概要を報告致します。


 ■第1回~第7回までの振りかえり 

 これまで皆さんから頂いた意見を整理し、市役所大通りのまちづくりのコンセプトを振り返りました。市役所大通りのコンセプトは「お客さんとの距離を大切に新たな世代を受け入れる安全安心なまち(仮)」です。これから具体的な「まち」の使い方や「みち」の使い方を考えていくときには、このコンセプトに立ち戻りつつ考えていくことが有効です。 



 ■みちをかたちづくるルールについて 
○セットバックの意味 
 野原先生より、これまでの議論の結果をもとに、これからの市役所大通りの「みち」のあり方をまとめた案が示されました。その中で、みちをより有効に使うために、建物をセットバックするアイデアについて説明がされました。 

 市役所大通りでは、セットバックは“おもてなしゾーンを前面に押し出しやすくなる”ところに利点があります。セットバックすることで、ひさしを取り付けたり、ひさしの下に椅子を置いたり、鉢植えを置いたりすることが比較的容易になります。それぞれの業種や再建の状況に応じて、この手法を用いていくことが有効と考えられます。 

 ■まちをかたちづくるルールについてアイデア(空地、防災・安全) 

 今回の街並み委員会ではグループに分かれて、空地のルールや防災・安全、マネジメントのルールなどについて、「具体的なアイデア」と「そのための工夫」を書き出して頂きました。以下、今回出された意見の概略になります。 

○空地のルール 
芝を敷くなどの緑化 、店の前にプランターを設置 
ベンチや花壇は使い始めるまで勝手がわからないので後で置く(スペースを予め用意しておく) 

○まちの機能 
復興公営住宅の1階に子供やお母さんが絵本などを読めるくつろぎスペース(外から見えるようにガラス張りにする) 
店舗の業種や通りに面した住宅戸建てを規制 
住宅はなるべく作らないよう呼びかけ 
1階は商店、住宅を2階部分に作る 
夜営業メインの店でも昼に飲食店を営業する 


○駐車のルール 
裏側の空地に少しまとまった駐車場 
買い物をする、しないに関わらず駐車場は無料 

○駐輪のルール 
共同駐輪場はスペース的に厳しいので、各店舗に個別に設け 
てちょい止め 
ちょい止めよりも一か所に置いた方が買い物しやすい 
利用者も使い方に責任を持つよう管理に参加させる 

○建物の配置・構成について 
街並みに凸凹をつくり、平面的にならないようにする 
色はそろえて最低限の統一感は出す 

○要素(エレメント)のルール 
暖簾などの高さを合わせて通りの統一感をだす 

○マネジメントのルール 
肉や豆腐、フルーツなど各店舗業種に合わせたイベントを行う 
イベントの場所を保証したり、材料費を一部負担するなどの 
協力をしたりして外部からのイベントを誘致する 

○防災・安全 
復興公営住宅に避難する際のルールを設ける 路面に避難路を表示 
避難場所や経路、仕組みを商店街または町内会で情報交換 

■今後の予定 
今後具体的に物事を進めていくときに、空地の利用などについて、話し合ったアイデアが実際に有効なのかどうかを確かめるため、実際に実験を行っていく必要があります。早速、次回の会議の日の日中に、現在空いているスペースを活用して拡幅後の道路に関して実験を行う予定です。お時間ございましたら、是非ご覧になってください。 

第7回市役所大通り街並み委員会


913日に、横浜国立大学より野原卓先生をお招きし、第7回市役所大通り街並み委員会を開催しました。市役所大通りの商店主10名と、市役所から9名、オオバから1名、日本設計から1名、日本ペイントから3名、横浜国立大学から3名、街なか創生協議会から3名の関係者の参加を頂きました。以下、概要を報告致します。


中央1丁目2番地区の復興公営住宅について

整備計画概要

 石巻市の復興住宅課の方から現在の復興公営住宅の整備計画の説明を頂き、そのあと意見交換を行いました。市内の復興公営住宅は現在3,250戸を予定しており、926日までに仮設住宅の方々には希望する居住地区を登録してもらい、その後再度供給計画を見直します。中央1丁目2番地区の復興公営住宅については、借地の契約が行われ次第登録できるようになります。現在は事業計画の作成を行っており、平成26年度の夏に着工を予定しています。


概要の説明を受け、以下の意見・提案が挙げられました。

・復興公営住宅をセットバックし空地を設け、街路樹を植えたり、周りの環境と調和した色彩を取り入れることで、日和山側から眺めたときの市役所大通りの印象が大きく変わる。
・歩道と一体的な駐車場や空地の活用方法を考える。その場合、市役所大通りが一体となって維持管理を行う仕組みが必要となる。

・新しく公営住宅に住む人を呼び込むには、住みやすい環境をつくるにはどうするか、新しく入ってきた人がなじみやすいコミュニティをつくるにはどうするかを考える必要がある。
・復興公営住宅の一階部分をカフェなどコミュニティスペースや地域の倉庫として使えるような、自由なスペースを設けてはどうか。
・復興公営住宅や新たにできる住宅に人を呼び込むために、市役所大通りの情報(安心・安全なまちづくりをしている、住み良い環境づくりを行っている)を積極的に発信していく必要がある。


街並みと色彩について

 オブザーバーとしてお越し頂いた日本ペイントさんより、「街と色彩」について説明をいただきました。色彩の配慮事項は大きく分けて3つ。

風土や気候などの地域性に配慮する
(例:川の近くであれば開放感のある色、山の近くであれば落ち着いた色など)
街並みなど関係性に配慮する
(例:街並みに合わせ、周りから突出しない色を採用する
公共性に配慮する
(例:慣れ親しんだ色を使う)

です。魅力的な復興公営住宅や街並みを考える上で、好みでなく周辺環境に配慮した色彩を取り入れる必要があります。テーマカラーなどであれば全面に推し出すのではなく、アクセントとして少量用いると効果的です。


■地域の課題を解決するような道路設計を

・市役所大通りは、集中豪雨のとき一時的に冠水するという大きな課題があります。新たに道路をつくる(拡幅する)際、このような従来からの課題を解決するような設計をして欲しいとの声が挙げられました。
・たとえば、「道路の中心を少しだけ低く作り、車道の両脇に排水溝を設けることで排水性を高められないか」といった提案や、車道を排水性(水をはじく)、歩道を透水性にするといった意見が挙がりました。

以上、今回は全体的な街並みの協議というよりかは、復興公営住宅ができることによって、どのようなことを考えていく必要があるか、ソフト・ハード双方に亘る多様なご意見が挙げられました。

次回は、これまでのご意見・提案をもとに、「まち」に関するルール、「みち」に関するルールについてそれぞれ詰めとなる作業を行っていく予定です。

第2〜4回川沿い地区まちづくり検討会

少し間が空いてしまいましたが、8月より始まりました「川沿い地区まちづくり検討会」のその後についてご紹介致します。

石巻街なかの最大の魅力発信拠点である「川沿い地区をどのように整備してけば良いか」を示すために検討を進めてきた川沿い地区まちづくり検討会。8月以降4回の協議を重ねてきました。

主な検討の結果は以下のとおり。

①路線バス(市内循環・長距離)ターミナルは生鮮マーケットに近いところに整備し、川沿い地区のアクセス性を高める。

②観光バスの乗降所・駐車場を上記バスターミナルと一緒に設け、交通拠点としてのイメージを形成する。

③中瀬へのアプローチ(西内海橋)は、歩行者優先となるような計画とし、生鮮マーケットと一体となった利用をする。


④小規模文化施設を川沿い地区へ誘致し、市民が買い物だけでなく、文化・交流活動を楽しむことができる場所とする。

以上の点を含んだまちづくり計画案をとりまとめ、市役所・街なかの住民の方々に説明を行っていきます。

特に、小規模文化施設については、被災した「石巻文化センター」や「市民会館」、老朽化から改築可能性のある「中央公民館」や「NPO支援オフィス」などを機能整理し、街なかへの配置を提案しています。

小規模文化施設の機能としては、主に「中ホール」「市民活動ルーム」「図書室」「NPO支援オフィス」などです。市民の利用頻度が高く、かつ、街なかにあることで他の活動との連携により相乗効果を生み出すような機能を中心に提案しています。

市役所へ提案の後、街なか創生協議会のホームページでも計画案の詳細についてご紹介して参ります。